幌共同購入のまとめ

FIAT barchettaの幌がかなりひどい状態なので、交換することにしました。
で、どうせ換えるなら自分でやってしまおうと(ディーラーに頼むと20万、業者に頼んでも10万はかかる)。
さらに、どうせなら小船仲間の分もまとめて購入して安く済ませようかと。

ということで始まった幌共同購入まとめページでございます。
(mixiで企画・実施したオフですが、mixiに参加して無い小船オーナーや他車種のオープン車オーナーにも情報提供を、と思いこのページに掲載することにしました)

その1:業者選定

どこの業者から購入するか?
最初の問題にして、一番大事なところなんですが、ここは過去の猛者たちの交換記録を検索サイトで探し、評価の高そうな取引実績のあるところに決めてしまうのがもっとも手っ取り早そうです。
というわけで、今回は下記の業者(Huber Autoausstattung GmbH)から購入することにしました。
http://stores.ebay.com/Cabrioverdecke-und-Zubehor
※Fiat Barchetta以外にも、VW Golf、Audi 80、BMW E30/E36/Z3、Mazda MX5、Peugeot 205などの幌も扱っているようです。
※ドイツの業者なのでドイツ語で書かれています。言葉の壁にぶち当たったらexcite翻訳( http://www.excite.co.jp/world/german/ )を使えばなんとなく意味は判ります。
※換算レートはYahoo!ファイナンス( http://quote.yahoo.co.jp/m3 )を参考にしました。

その2:素材とカラー

Huber Autoausstattung GmbHの場合、素材はSonnenland(キャンパス生地)とPVC(ポリ塩化ビニル)の2種類を扱っています。選ぶなら当然Sonnenlandでしょう。
Sonnenlandについては下記サイトが参考になりました。
http://www.geocities.jp/houseikoubou/material.html

色については購入時期や車種によって違いがあるようです。もし好みの色が無かったら問い合わせてみると良いかもしれません。

その3:共同購入者集め

今回mixiのコミュニティで17名の共同購入者が集まったわけですが、そこまで人数を集めなくても割安な送料で購入できそうです。実際に届いた荷物をみると2個のダンボール(9個入り+8個入り)で届きましたので、送料だけで考えると8〜10個位が効率のいい購入数になるかと思います。
※車種によって幌の大きさ・重量が異なるので、詳しくは問い合わせた方が確実です。

送料例
1個の場合:65ユーロ(ebay掲載価格)
2個の場合:95ユーロ(ebay掲載価格、以下1個追加ごとに30ユーロ増)
17個の場合:470ユーロ(1個あたり27.65ユーロ、後述のVAT値引き交渉後の送料)

おおよその購入価格はYahoo!ファイナンスの為替レートを参考に算出しました。
厳密に計算しても為替レートの変動で変わってしまうので、あまり意味がないので、
「大体これくらいで買えるけど、一緒に買わない?」ぐらいのノリで集めるのが言いかと思います(詳しい計算方法は後述の「輸入にかかる費用」を参照)。

その4:見積という名の価格交渉

人数が集まったところで先方に見積もりを依頼します。
見積もりには、
・各色ごとのオーダー数
・支払方法(今回はPaypalのクレジットカード払いを指定)
・配送方法(今回は保険付きの航空便を指定、追跡番号の連絡必須も明記)
・納期の確認
の四つを必ず明記するようにしてください。

さらにここで重要なポイントが一つ。
先述したebayのページを見てみると判るのですが、商品価格と送料にはVAT(Value Added Tax、付加価値税)が含まれています。
日本へ輸入する場合、VATは非課税になりますので、複数購入による値引き交渉に加えてVAT分の値引き交渉も行った方が、より安く購入できます。
もちろん個人輸入の場合でもVAT分の値引き交渉は可能だと思いますので、まずは問い合わせてみることをお勧めします。
※VATについては下記サイトを参考にしました。
http://www.jetro.go.jp/world/europe/qa/02/04A-000910

その5:送金

見積もりが確定したら、先方に送付先住所・受取人名、TEL、FAX(無ければ不要)、Paypalの登録メールアドレスを連絡します。
その後、先方からinvoiceの確認メールが届くので内容を確認します。
さらにPaypalから請求メールが届くので、それに記載されているページにアクセスします。
※今回はPaypalのクレジットカード(JCB)払いで支払う事にしました。
※ドイツの業者なので、もちろん請求はユーロ建てで届いています。

ここで重要なポイントが2つあります。

Paypalの初期支払い限度額について

クレジットカード利用でPaypalにユーザー登録した場合、初期支払い限度額は36万に設定されています。
購入数が多い場合は上限を超えてしまうのでpaypalのアカウント認証を行い、限度額の解除を行います。
参照: https://cms.paypal.com/jp/cgi-bin/marketingweb?cmd=_render-content&content_ID=marketing_jp/Verification

アカウント認証は、上記サイトに記載されているとおり、paypalから200円の請求が発生して、カードの利用明細に記載されているPayPalコードを使って行うのですが、この請求がカード会社に届くまで約1週間くらいかかります(PayPalは2〜3日でカード会社に請求が届くと言っていますが…まず届きません)。
急いでいる場合は、PayPalに電話してカード請求以外のアカウント認証をするように伝えます。するとカード番号下4桁が記載されたカードの利用明細書をスキャンして電子メールで送るように言われますが、JCB等はセキュリティ強化のため利用明細書にカードの下4桁は記載されていません。ここですかさず、利用明細書には下4桁が記載されていない旨を伝えると、今度はカードの表面と免許証の表面をスキャンした画像を送れというので、それに従います。
※スキャナーが無い場合は携帯のカメラ等で十分です。
※必要なのは免許証の氏名・生年月日・住所、カードの下4桁・氏名部分だけなので、個人情報が気になる方はそれ以外の部分を画像処理ソフトなどで消しても大丈夫です。

・支払うカードについて

ユーロ建ての請求に対して、PayPalに支払う方法は2つあります。
A. PayPalに日本円で支払う
B. PayPalにユーロで支払う(Mastercard・Visaのみ)

Aの日本円で支払う場合、ユーロ→円の換算手数料(2.5%)はPayPalに支払うことになります。Paypalから届いた請求メールに記載されている支払いページにアクセスすると、初期状態で日本円での請求(換算手数料込み)になっているので、そのまま支払い手続きを済ませばOKです。

Bのユーロで支払う場合、ユーロ→円の換算手数料(1.63%)はクレジットカード会社に支払うことになります。Paypalの支払いページにアクセスすると、More Funding Options (通貨換算オプション) が表示されていますので、それをクリックするとユーロ払いが可能となります(Paypalに登録してあるカードがVisa・Mastercardの場合のみ)。

Paypalの為替レートとVisa・Masterの為替レートを比較した場合、僅かですがPaypalの方が割高になっている場合が多いようです(為替レートは各社異なります)。さらに換算手数料はPaypalの2.5%に対し、Visa・Masterは1.63%なので割安といえます。

ただし問題点が1つ。
Paypalの場合、支払いを行った時点でレートは確定しますが、Visa・Masterの場合は“カード会社に請求が届いた時点”のレートが採用され確定します。
大体カード会社に請求が届くのが3〜4日後なので、為替相場が円安傾向の場合、損をすることもあります。
決済例(Yahoo!ファイナンス終値を参考):
2010年9月13日 1ユーロ=107.754円 ←paypalで決済した場合は当日のレート
2010年9月16日 1ユーロ=112.114円 ←カード会社に請求が届いた日のレート

ま、そうは言っても為替変動を読みきるなんて絶対に無理ですから、あくまでも参考程度にしてください。
今回は支払う段階で支払いをVisaカードに変更しユーロ払いにしようかと“一瞬”悩みましたが、ちょっとずつ円が安くなっている気がしたのでそのままJCBで支払いました(結果、今回はたまたま大正解でした)。

その6:荷物の追跡と納税

支払いが完了したらその旨を業者に連絡し、入金確認と発送手配および追跡番号の連絡を依頼します。
今回の発送方法はDHL Paket Internationalなので、追跡番号が判ったら下記サイトにアクセスし、配送状況を確認します。
http://nolp.dhl.de/nextt-online-public/report_popup.jsp?lang=en
大体の目安ですが、業者が発送手配をしてから日本の税関に届くまで1週間くらいを考えておけばOKです。

ドイツの空港を出発してからは日本郵便のサイトで追跡した方が楽です。
上記DHLのサイトで追跡した際に表示されるUPU code / matchcodeをコピーして、日本郵便の下記サイトで追跡します。
http://www.post.japanpost.jp/int/index.html

商品代金が20万円を超える場合、日本に(日本郵便 国際交換支店)に到着したら、郵送で
「輸入(納税)申告を必要とする可能性がある国際郵便物のお知らせ」が届きます。
必要事項を記入し、委任状を送付します。
※大抵の場合は「郵便事業株式会社に輸入申告等の手続きの代行を委任する」にチェックをいれ、委任状に住所・氏名などを記載して郵送します。急いでいる場合は、先に委任状をFAXし、後に委任状を送付します。

FAXした後、日本郵便から荷物の中身に関しての問い合わせ電話が入りますので、車の専用部品であり、汎用品や加工素材で無いことを伝えてください。
※車の専用部品(幌やヘッドライト等)には関税がかかりませんが、幌生地のような輸入後加工が必要な商品の場合は関税がかかることがあります。

中身に関しての説明をした後、半日〜1日ほど経ったら、国際交換支店に連絡していつ税関を通過するか確認します。この時、急いでいる旨を伝えると比較的早く処理を行ってもらえます。(対応する人によってはろくに調べもせずに無碍に「今忙しいんで来週ですねぇ〜」とか言う人もいますが、その場合はさっさと電話を切ってかけなおしてみてください。人によって対応がまちまちです。)
丁寧(適切?)な対応の人の場合、「国際郵便物の関税等納付のご案内」をFAXで送付してくれるので、Pay-easyで消費税を納付します(FAXが無い場合は郵送で送られてきます)。
Pay-easyについてはこちら: http://www.pay-easy.jp/

消費税の納付が済んだら1〜2時間程で輸入許可が降り、その日のうちに国際交換支店から発送されます。後は普通の国内郵便と同じように荷物の通過状況を確認しながら荷物の到着を待つだけです。
今回の場合、3連休を挟んでの輸送となったので若干関税での通過に時間がかかり、ドイツの発送から荷物到着まで11日ほどかかりました。

その7:輸入にかかる費用

個人輸入の場合でも、共同購入の場合でも基本的に費用のかかる項目は同じです(料率は異なります)。
 商品代金+送料+ユーロ換算事務手数料+消費税+地方消費税+通関手数料=合計費用
具体的な費用例は次のとおりです。
paypalクレジット(円建て)払い、1ユーロ110円計算、VAT分の値引き等は考慮せずに計算しました。
※厳密には商品代金支払い時のユーロ→円換算と税金確定時のユーロ→円換算のレートは異なるのですが、計算がややこしくなるので同一としました。

個人輸入の場合】
商品代金   270ユーロ(A)
送料   65ユーロ(B)
ユーロ換算事務手数料 8.375ユーロ((A+B)*2.5%)、(C)
Paypalに支払う額(A+B+C) 37,771円(343.375ユーロ)、(D)

課税適用額 22,110円(A+Bに0.6をかけたものが課税対象額となります)
消費税   800円(課税適用額に対して4%、100円未満切捨て)
地方消費税   200円(消費税に対して25%、100円未満切捨て)
通関手数料   200円(荷物1個に付き200円)
税金など合計 1,200円(E)

費用合計(D+E) 38,971円


共同購入の場合】
商品代金   2700ユーロ(A)
送料   300ユーロ(B)
ユーロ換算事務手数料    75ユーロ((A+B)*2.5%)、(C)
Paypalに支払う額(A+B+C) 338,250円(3,075ユーロ)、(D)


課税適用額 330,000円(A+Bが課税対象額となります)
消費税  7,900円(課税適用額に対して4%、100円未満切捨て)
地方消費税  1,900円(消費税に対して25%、100円未満切捨て)
通関手数料   200円(荷物1個に付き200円)
税金等合計 10,000円(E)

費用合計(D+E) 348,250円
1個あたりの費用 34,825円

注意事項
paypalクレジットカード払い(円建て)、1ユーロ110円計算、ユーロ為替レートは小数点以下3桁で計算。
商品代金は270ユーロx10個、送料は300ユーロとして計算しています。
同一商品を複数購入する共同購入の場合、課税適用額はA+Bとなり、60%の料率は適用されません。

最後に

なんとな〜く、個人輸入の手順とそれに関わる費用がイメージできましたでしょうか?

英語が苦手な人は“個人輸入 例文”で検索すると参考になるサイトが沢山ヒットしますので、
伝えたい内容に一番近い文例を引っ張ってくれば大体なんとかなる・・・かと。
高価なパーツ費用でお困りの方、是非チャレンジしてみてはいかがですか?

テキストだとどうも判り難い・・・という方は、簡易計算書(エクセルファイル)をこちらに置いてありますので、ご自由に流用ください。


楽しい船頭生活のお役に立てば幸いです。
それでは!